登録販売者試験対策|『第3章 XV 公衆衛生用薬その他の生薬製剤』

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公衆衛生用薬

消毒薬

感染症は、病原性のある細菌、寄生虫やウイルスなどが体に侵入することによって起こる望ましくない反応で、日常生活で問題となるのは、飛沫感染するものや経口感染するものが多い。

一般に、夏は細菌による食中毒が、冬はウイルスによる食中毒が発生することが多いと言われている。

殺菌・消毒は生存する微生物の数を減らすために行われる処置であり、また滅菌は物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することである。

消毒薬が微生物を死滅させる仕組み及び効果は、殺菌消毒成分の種類、濃度、温度、時間、消毒対象物の汚染度、微生物の種類や状態などによって異なる。

代表的な殺菌消毒成分、取扱い上の注意等

手指・皮膚の消毒のほか、器具等の殺菌・消毒にも用いられる成分

配合成分やその濃度等があらかじめ定められた範囲内である製品については、医薬部外品として流通することが認められている。
器具等の殺菌・消毒を併せて目的とする製品については、医薬品としてのみ製造販売されている。

クレゾール石鹸液

結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示す。
大部分のウイルスに対する殺菌消毒作用はない。
原液を水で希釈して用いられるが、刺激性が強いため、原液が直接皮膚に付着しないようにする必要がある。

エタノール、イソプロパノール

アルコール分が微生物のタンパク質を変性させ、それらの作用を消失させることから、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対する殺菌消毒作用を示す。
イソプロパノールでは、ウイルスに対する不活性効果はエタノールよりも低い。
脱脂による肌荒れを起こしやすい。
粘膜刺激性があり、粘膜面や目の回り、傷がある部分への使用は避けることとされている。
専ら器具、設備等の殺菌・消毒に用いられる成分

塩素系殺菌消毒成分

次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉

強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を示す。
皮膚刺激性が強いため、通常人体の消毒には用いられない。
金属腐食性があるとともに、プラスチックやゴム製品を劣化させる。
吐瀉物や血液等が床等にこぼれたときの殺菌消毒にも適しているが、有機物の影響を受けやすい。
⇨殺菌消毒の対象物を洗浄した後に使用した方が効果的である。

有機塩素系殺菌消毒成分

ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロルイソシアヌル酸等
塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられる。

誤用・事故等による中毒への対処

誤って飲み込んだ場合

一般的な家庭における応急処置として、通常は多量の牛乳などを飲ませる。
手元に何もないときはまず水を飲ませる。
中毒物質の消化管からの吸収を遅らせ、粘膜を保護するために誤飲してから数分以内に行う。
原末や濃厚液を誤って飲み込んだ場合には、自己判断で安易に吐き出させることは避ける。

誤って目に入った場合

流水で十分に(15分間以上)洗眼する。
水流が強いと目に障害を起こすことがある。⇨水道水の場合には弱い流れの水で洗う。

誤って皮膚に付着した場合

流水をかけながら着衣を取り、石鹸を用いて流水で皮膚を十分に(15分間以上)水洗する。

誤って吸入した場合

意識がない場合は新鮮な空気の所へ運び出し、人工呼吸などをする。

殺虫剤・忌避剤

ハエ、ダニ、蚊等の衛生害虫の防除を目的とする殺虫剤・忌避剤は医薬品又は医薬部外品。

衛生害虫の種類と防除

疾病を媒介したり、飲食物を汚染するなどして、保健衛生上の害を及ぼす昆虫等を衛生害虫という。

ハエ(イエバエ、センチニクバエ等)

ハエの防除の基本は、ウジの防除である。
ウジの防除法としては、通常、有機リン系殺虫成分が配合された殺虫剤が用いられる。
一般家庭においては、調製を要さずそのまま使用できる医薬部外品の殺虫剤(エアゾールなど)や、ハエ取り紙などの物理的な方法が用いられることが多い。

蚊(アカイエカ、シナハマダラカ等)

吸血によって皮膚に発疹や痒みを引き起こす。
日本脳炎、マラリア、黄熱、デング熱等の重篤な病気を媒介する。
水のある場所に産卵し、幼虫(ボウフラ)となって繁殖する。
ボウフラが成虫にならなければ保健衛生上の有害性はない。
成虫の防除では、医薬品の殺虫剤(希釈して噴霧する)も用いられる。

ゴキブリ(チャバネゴキブリ、クロゴキブリ等)

食品にサルモネラ菌、ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、ボツリヌス菌、O-157大腸菌等を媒介する。
アメーバ赤痢等の中間宿主になっている。
蒸処理を行う場合、ゴキブリの卵は医薬品の成分が浸透しない殻で覆われているため、燻殺虫効果を示さない。

シラミ

シラミの種類ごとに寄生対象となる動物が決まっているため、ヒト以外の動物に寄生するシラミがヒトに寄生して直接的な害を及ぼすことはない。
シラミの防除は、医薬品による方法以外に物理的方法もある。
医薬品による方法では、殺虫成分としてフェノトリンが配合されたシャンプーやてんか粉が用いられる。

トコジラミ

シラミの一種でなくカメムシ目に属する昆虫で、ナンキンムシとも呼ばれる。
刺されると激しい痒痛を生じ、アレルギー反応による全身の発熱、睡眠不足、神経性の消化不良を起こすことがある。

トコジラミは床や壁の隙間、壁紙の裏、畳の敷き合わせ目、ベッド等に潜伏する。
電気掃除機で隅々まで丁寧に吸引することによる駆除も可能である。

ノミ

ノミによる保健衛生上の害としては、主に吸血されたときの痒みである。
元来、ペスト等の病原細菌を媒介する衛生害虫である。

ノミはシラミと異なり宿主を厳密に選択しないため、ペット等に寄生しているノミによる被害がしばしば発生している。

イエダニ、ツツガムシ

イエダニは、ネズミを宿主として移動し生息場所を広げていく。吸血による刺咬のため激しい痒みを生じる。

イエダニの防除には、殺虫剤による燻蒸処理等が行われる。
ツツガムシは、ツツガムシ病リケッチアを媒介するダニの一種である。
目視での確認が困難であるため、ツツガムシが生息する可能性がある場所に立ち入る際には、専ら忌避剤による対応が図られる。

屋内塵性ダニ(ツメダニ類、ヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ等)

ツメダニ類は、通常は他のダニや昆虫の体液を吸って生きているが、大量発生したときにはヒトが刺されることがある。

刺されるとその部位が赤く腫れて痒みを生じる。
ヒョウヒダニ類やケナガコナダニについては、ヒトを刺すことはないが、ダニの糞や死骸がアレルゲンとなって気管支喘息やアトピー性皮膚炎などを引き起こすことがある。

殺虫剤の使用についてはダニが大量発生した場合のみとし、まずは畳、カーペット等を直射日光下に干すなど、生活環境の掃除を十分行うことが基本とされている。
併せて、室内の換気を改善し湿度を下げることも、ダニの大量発生の防止につながる。

殺虫剤を散布する場合には、湿度がダニの増殖の要因になるため、水で希釈する薬剤の使用は避け、エアゾール、粉剤が用いられることが望ましい。
医薬品の散布が困難な場合には、燻蒸処理等が行われる。

代表的な配合成分・用法、誤用・事故等への対処

殺虫剤使用に当たっては、殺虫作用に対する抵抗性が生じるのを避けるため、同じ殺虫成分を長期間連用せず、いくつかの殺虫成分を順番に使用していくことが望ましい。

有機リン系殺虫成分

ジクロルボス、ダイアジノン、フェニトロチオン、フェンチオン、トリクロルホン、クロルピリホスメチル、プロペタンホス等

殺虫作用は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と不可逆的に結合してその働きを阻害する。

ほ乳類や鳥類では速やかに分解されて排泄されるため毒性は比較的低い。

ピレスロイド系殺虫成分

ペルメトリン、フェノトリン、フタルスリン等
フェノトリンは、殺虫成分で唯一人体に直接適用されるものである。

カーバメイト系殺虫成分、オキサジアゾール系殺虫成分

カーバメイト系殺虫成分⇨プロポクスル
オキサジアゾール系殺虫成分⇨メトキサジアゾン

有機リン系殺虫成分と同様にアセチルコリンエステラーゼの阻害によって殺虫作用を示す。
有機リン系殺虫成分と異なり、アセチルコリンエステラーゼとの結合は可逆的である。
ピレスロイド系殺虫成分に抵抗性を示す害虫の駆除に用いられる。

有機塩素系殺虫成分

有機塩素系殺虫成分(DDT等)は、我が国ではかつて広く使用され、感染症の撲滅に大きな効果を上げたが、残留性や体内蓄積性の問題から、現在ではオルトジクロロベンゼンがウジ、ボウフラの防除の目的で使用されているのみとなっている。

昆虫成長阻害成分

メトプレンやピリプロキシフェン

殺虫作用でなく、昆虫の脱皮や変態を阻害する作用を有する成分。
ジフルベンズロンは、脱皮時の新しい外殻の形成を阻害して、幼虫の正常な脱皮をできなくする。

殺虫補助成分

ピペニルブトキシド(PBO)やチオシアノ酢酸イソボルニル(IBTA)など
それ自体の殺虫作用は弱いか、又はほとんどないが、殺虫成分とともに配合されることにより殺虫効果を高める。

忌避成分

ディート

最も効果的で、効果の持続性も高い。
虫が一般にこの物質の臭いを嫌うためと考えられているが、詳細は分かっていない。
生後6ヶ月未満の乳児への使用を避けることとされている。

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